シラン・紫蘭
(Bletilla striata)


 
庭のあちこちに増えた紫蘭の群落 学名、Striata(縞模様のある)の由来の花の縞模様 白花の紫蘭 
     
青花の紫蘭   口紅紫蘭  仙台の庭の白花の紫蘭
     
   
 2022年 同じ場所、2023年 

 単子葉植物類   キジカクシ目  ラン科  セッコク亜科   エビネ連   シラン属   シラン種
 Monocots Aspalagales   Orchidaceae   Epidendroideae   Arthuseae  Bletilla  striata

   紫蘭は日本、台湾、中国原産の野生の蘭です。
日本では関東地方~九州、四国に分布するとありますが、寒冷な北海道でも野生でどんどん増えています。
 蘭科では珍しく栽培が容易な種類で、半日陰から日向まで、乾燥にも過湿にも耐える種類です。
 学名の Bletilla とはスペインの薬剤師 Blet から、種名の striata とは縞模様がある、の意味ですが、恐ら花の唇弁に当たる部分の縞模様に由来する命名でしょう。

 鱗茎が増えて群落を作りますが、種からも容易に増え、庭のあちこちに増えているのは、種が飛んで増えたものでしょう。
 ともかく手をかけずにどんどん増えるという、嬉しい種類の蘭です。
10年余り昔に数株いただいた株が、今や北海道の庭や森の数か所に大群落を作り6月中旬から一か月ほど、華やかに彩ってくれます。
 野生の蘭ですが、背丈が数十センチメートルになり、如何にも蘭らしい華麗な花が咲き乱れるのは何ともうれしい限りです。

 こぼれ種でどんどん増えるくらいで栽培が容易なので、様々な交配種が生まれ、赤紫の他に白花、リップの先端に赤い模様のある口紅紫蘭、青い色等々、多彩な色合いの種類が出回っています。

 偽球茎とも呼ばれる鱗茎からは白及(びゃくきゅう)と呼ばれる薬が得られ、皮膚や粘膜保護、痛み止め、止血,消炎等に使われるとのこと。
 学名がスペインの薬剤師に由来するというのも、この薬効と関連するのでしょう。
昔の医者や薬剤師は、必然的に植物の専門家であったためです。
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