蝦夷立金花(エゾノリュウキンカ)
(Caltha palustris)


   
       


 双子葉植物綱  キンポウゲ目   キンポウゲ科   リュウキンカ属   エゾノリュウキンカ種 
 Magnoliopsida  Rananculales   Rananculaseae   Caltha palustris 
 本州ではリュウキンカですが、北海道では大型の変種のエゾノリュウキンカになります。
有毒のアルカロイドを含むことが多いキンポウゲ科の植物には珍しく、エゾノリュウキンカは食用になります。
 毎年4月末の雪解けとともに、我が家の庭から南に伸びる尾根の両側の20m余りの深い谷間を流れる沢に沿って鮮やかな黄色の花の群落が見られます。
 この花が北海道ではありふれたエゾノリュウキンカではあることは、移り住んだ当時の17年昔に、春先の雪解け時に谷へ下りて確認済みでした。
 谷底の日当たりのよい土地には早くも水芭蕉やザゼンソウと共にエゾノリュウキンカの群落があったからです。
 が、この数年、谷底の金色の群落が益々目立って大きくなってきたので、今年、久しぶりに下りてみました。
 
     
深さ20mの谷の中腹まで 伸びる群落  日当たりのよい尾根の大半を覆う群落  5月初旬に残る雪渓  大きな株が上へ上へと伸びてゆきます 

 5月初旬となると、すでにザゼンソウは花の季節が終わってしまっていました。 水芭蕉は一輪のみ白い花の名残が見られましたが、すでに数十cmの高さに成長していました。
  一面の大柄なエゾノリュウキンカの群落に隠れて、蝦夷延胡索(エゾノエンゴサク)、二輪草、延齢草(エンレイソウ)の群落が足の踏み場もないほどのお花畑となっていたのには驚かされました。
     
二輪草の大群落 
 
     
蝦夷延胡索の群落
     
     
水芭蕉の群落 
 
     
延齢草の群落 

 我が森の下にこんなに多様な花々が誰にも知られることなくひっそりと大群落を作っていたとは嬉しい驚きでした。

学名の Caltha はラテン語で ”匂いの強い黄色い花”、palustris は同じくラテン語で ”沼地を好む” という意味です。



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