こんなに可憐な美しさを見せる花に大姥百合とは酷い名前を付けたものだが、花が枯れた後の実の様子を老女に例えた命名とのこと。
北海道の野山ではありふれた花です。主に森林の日陰の湿地帯に最大では2m近い背丈で群生しているのをよく見かけます。
本州以南では背丈が1m以下と低く姥百合と呼ばれます。
寒冷地の北海道では何故か巨大化したので変種の大姥百合となりましたが、大きさ以外は全く同じです。
我が家では木陰の森の中ではなく,6月の陽当りの良い庭の片隅に背丈が60㎝程のこじんまりとした苗が姿を見せたので、葉の様子から雑草ではなく,一体何だろうかと花の咲くのを心待ちにしていたところ、水平に伸びて開いた花の様子が、どう見ても大姥百合だったのでいささか驚いた次第。
陽当りの悪い森の中では、恐らく他の植物との競争で精一杯背丈を伸ばし、花も一本の茎に時に20以上もつけるのだろうと考えられます。いつも花と種しか見えず、茂みに隠れた葉を見たことがなかったので、花が咲くまで大姥百合とは気付かなかった次第。
この葉からユリ科と判断できるのは専門家のみでしょう。凡そユリ科の植物とは考えられません。
かつて姥百合はユリ属とされていたのが、新たにウバユリ属に変更されたというのは頷けます。
さて、背の高さや、花数の少なさからすると、姥百合かとも考えられますが、敢えて大姥百合としたのは、姥百合が本州では、宮城以南にしか生育できず、北海道では大姥百合と植物図鑑にあったからに過ぎません。
今年初めて見かけたのですが、来年以降、どれほど背丈が伸び、花数が幾つになるのか楽しみです。