ドクダミ
(Houttuynia cordata)


     
     


 双子葉植物綱   コショウ目  ドクダミ科   ドクダミ属   ドクダミ種 
Magnoliopsida  Piperales   Saururaceae   Houttuynia  cordata 

 独特の臭気を持ち住宅周辺や道端に自生し、半日陰を好む多年生の植物。
子供のころから、家の裏庭などに見かける植物で、その匂いから、陰気臭い花という印象を抱いていました。
しかし、近年は、匂いはともかく、庭に群生したりしていると、なかなか華やいだ雰囲気を醸し出していることに
気付かされます。
 その匂いから毒草のような印象を受けますが、毒性はなく、逆に開花期の地上部を乾燥させたものは生薬名
十薬として、日本薬局方に収録され、その煎薬は利尿作用、高血圧、動脈硬化の予防に、漢方では解毒剤と
して使われるとのことです。
 この独特の臭いの元となっている、デカノイルアルデヒド、ラウリルアルデヒドのフィトンチッドに抗菌、抗かび
作用があってブドウ球菌や白癬菌を殺すのだとのこと。
 北海道の我が森には数年前から、日当たりのよい谷に面した斜面にちらほらと姿を見せ始めましたが、たち
まちのうちに斜面を数mに渡って埋め尽くすほどの繁殖力で広がりました。 この斜面は以前はイネ科の雑草
で覆われていて駆除に手を焼いていたので、これは好都合と見ていましたが、旺盛な繁殖力で、ヒトリシズカの
群落を覆うほどになってしまったので、今年からは群落の境目を1mばかり刈り取る羽目になりました。
 長く伸びた地下茎の一片でも残っているとそこから芽を出すとのことで、今後は毎年駆除作業に追われそうです。

 名前の由来は毒矯み(毒を抑える)から。強烈なにおいから中国名と同じ魚腥草や、地方により地獄蕎麦、
ウマゼり、などと呼ばれます。
 英名も Fishmint, Fish herb, Lizard tail, Chameleon plant, Heart leaf, Bishop's weed と多彩です。
Houttuynia とは18世紀オランダの医者、かつ植物学者、Houttuyne から、 cordata(心臓形の) とはハート形
葉の形に因みます。


TOP 豊穣の森