豊穣の森


サンシュユ(山茱萸)
(Cornus officinalis)


       
3月下旬から4月初旬、早春にいち早く花開く山茱萸 


      
長さ1cm余り、グミにそっくりな果実  その色合いから秋珊瑚とも呼ばれる山茱萸の赤い実  山茱萸の植物画 


 双子葉植物綱  ミズキ目   ミズキ科   ミズキ属   サンシュユ種 
 Magnoliopsida   Cornales   Cornaceae   Cornus   C.officinalis 

 仙台の家の庭に3月末から4月初旬にかけて咲き初める花があります。
例によって、植えた覚えはないのですが、この数年、春先に華やかに咲かせるようになりました。
 今年は一段と華やかで、書斎の後ろの階段を挟んだ公園側にも同じ花を咲かせる木が数本一斉に花開き、見事眺めとなっていました。
 華やかな黄色の花を咲かせる木の名前を知らないのは如何にも不覚と、調べてみると、ネットにて3分も経たずに名前が分かりました ;
 中国浙江省および朝鮮半島北、中部原産のサンシュユ(山茱萸)と判明。
落葉高木樹で高さが5~10mに達する。
この呼び名は中国名をそのまま訓読みしたもの。
 学名のラテン語は ”Cornus : コルヌス(ミズキ属)、本来の意味は Corn : 角 の意味ですが、
木質が硬いミズキの学名となったもの。
” officinalis : 薬効のある ” とは薬用に使われる植物に使われ、多くの薬用植物の種名となっています。
 ここから派生した ”Officina” はイタリア語、スペイン語、フランス語等のラテン系の言葉では ” 薬局 ” を意味します。
 サンシュユという花の名は聞き覚えがありましたが、どんな花なのか、どんな字なのかは不覚ながらこれまで知りませんでした。 まさかわが庭に毎年咲いているとは
 !!!
早春に咲く金色の花に因み、ハルコガネバナ(春小金花)とも呼ばれます。
 茱萸とはグミの意味とのこと、確かに秋になるとグミの実そっくりの赤い実がなります。
 因みに、鮮やかな色合いに因んでアキサンゴ (秋珊瑚)の別名もあるとのこと。
グミのような実はリンゴ酸、酒石酸、没食子酸(芳香カルボン酸)、酸性酒石酸、有機酸、タンニン、糖が含まれ、種にはパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸 等、脂肪油が含まれる。
 干乾し乾燥させた果肉を生薬とし、強精、止血、頻尿、低血圧、不眠症等に漢方薬として処方される。
 と、春の黄金色と秋の珊瑚色を楽しめるだけではなく漢方薬としても重宝されるのですね。
餌が乏しくなる秋から冬にかけて、ツグミやヒヨドリ等の野鳥が山茱萸の木に沢山やってくる。
 我が庭の山茱萸も、彼らが運んで来た種から芽生えたものでしょう。
さらに、この木の実が、公園にまき散らされて早春の公園の花盛りを演出することになったのでしょう。


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