豊穣の森

        トサミズキ(土佐水木)     ヒュウガミズキ (日向水木)
       (Corylopsis spicata)   Corylopsis pauciflora) 


     
花穂の長いトサミズキ     花穂の短いヒュウガミズキ 


       
トサミズキの葉と実   ヒュウガミズキの葉と実 


 Angiosperms Eudicos   Saxifragales   Hamamelidaceae  Corylopsis 
被子植物   真正双子葉類  ユキノシ目  マンサク科   トサミズキ属 
 トサミズキ も ヒュウガミズキも名前だけは聞いたことがありましたが、それがどんな花なのかは皆目知りませんでした。
 何年か前から、仙台の家の庭のあちこちで早春に咲く黄色い花があることに気づいていたものの、名前も知らなかった小さな花が、今年は例年になく華やかに見事に咲いているので、一体何の花だろうかと調べて、これらがマンサク科、トサミズキ属の花々であることが漸く判明しました。
 実は、わが庭に咲いているこれらの花が、当初はヒュウガミズキかと、ホームページを作成していたのですが、色々調べているうちに、写真のように花穂の長いトサミズキと短いヒュウガミズキとの 二種類の花であることに気が付いた次第です。
 いずれも、近畿北部および北陸の日本海岸沿い原産の落葉低木で樹高が2 ~6m の灌木です。
 トサミズキは高知県の一部の蛇紋岩質の土地が原産地とのことですが、現在は日本各地に広範に植えられ、広がっています。
 ヒョウガミズキは、日向と命名されていますが日向の国(宮崎)原産ではなく、近畿北部および北陸の日本海沿い原産の樹高が 3m 未満の小灌木です。
 牧野富太郎によると、トサミズキによく似た小さな種なので当初はヒメミズキと呼ばれていたものが、ヒュウガミズキに転訛し、日向と誤解されたのだろうとのことです。
 トサミズキとヒュウガミズキの属名の Corylopsis は兜のような花の形からギリシア語の ”Corys : 兜 と opsis : 似ている” に由来 します。
 トサミズキの種名は ”spicata : 穂状花穂を持つ”、ヒュウガミズキの種名は ” pausiflora : 花の少ない” と、確かにそれぞれの花の特徴を表す命名です。
 いずれの木も植えた覚えはありませんが、庭にやってくる小鳥たちが他所で食べた実がわが庭に糞としてばら撒かれて、芽を出したものでしょう。


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