デンドロビウム・キンギアヌム
(Dendrobium
kingianum)
単子葉植物綱 | ラン目 | ラン科 | セッコク亜科 | セッコク属 | キンギアナム種 |
Liliopsida | Orchidales | Orchidaceae | Epidendroideae | Dendrobium | kingianum |
20年余り昔のたった一茎の頂き物のランが今や4つの鉢に溢れるほどに繁殖し、毎年1月末から2月末まで2㎝程の小さいながら、しかし、紛れもなく楚々としたランの姿の花を咲かせてくれます。
特筆すべきは、その爽やかな香りです。
あちこちに置かれた鉢いっぱいに咲く花が、毎年の厳寒の季節の家を爽やかな香りで満たしてくれます。
一体このランの名が何なのか、20年余り知らずにいましたが、2時間余りネットで探して、ようやくその正体が判明しました。
このランは、オーストラリアのニュー・サウスウェールズとクイーンズランドの日当たりのよい岩の上に分布するデンドロビウム・キンギアヌムです。
デンドロビウムとはよく目にするランの名前ですが、日本の中部以南の岩の上や樹木に着生する野生のランの石斛(セッコク : Dendrobiumu moniliforme) の学名です。
この名前はギリシア語の ”dendron :樹木 ” と ” bios :生命 ”という、樹木に着生する生態に因みます。
岩や樹木の上という厳しい環境に分布する野生の植物故、ミズゴケと少しばかりの土と冬の間は家の中で水と液体肥料、夏の間は戸外の日陰で雨だけ、と至って手間がかかりませんが旺盛に繁殖して、毎年たわわに花を咲かせてくれます。
同じく野生種から改良された、栽培種のシンビジウム系のランが、いくら手をかけても、葉ばかり茂って一向に花を咲かせないのとは大違いです。
ホームセンターでは一鉢1000円程度の手ごろな値で売られていますから、蘭を楽しみたいという方には、真っ先にお勧めしたい種類です。