ジギタリス (キツネノテブクロ : Fox Glove)
(Digitalis purpura)


       
       


 真正双子葉類   キク類    シソ類   シソ目   オオバコ科   ジギタリス  プルプレア種
 eudicots  asterids  lamiids  Lamiales   Plantaginadseae  Digitalis  D.purupurea
   学名の Digitalis はラテン語の指を意味する ” digitus ” に因みます。 この名は花の形が指サックに似ているため。
和名の “ キツネノテブクロ ” は英名の ” Foxglove ” の直訳とされますが、本当は "Fairie's Glove : 妖精の手袋” なのだという説もあり。 こちらの方が優雅な花の姿や色合いにふさわしい。 手袋をした狐など童話にだって登場しません。
 ちなみにラテン語の ” digitus ” は指という意味の他に、指を折って数えることから、数値化するという、今日身の回りに氾濫するデジタルの語源にもなっています。
 種名の ” purpurea ” とは、紫の花の色を表しますが、現在は園芸用に改良された、ピンク、白、青等々、多彩な色があります。
 ジギタリスは地中海沿岸を中心に、ヨーロッパ、アフリカから中央アジアに20種余り分布しますが、今日では園芸用に交配された数多くの種類があり、日本でも寒冷地では野生化して増えています。
 ただし暑さに弱いので、温暖地では1~2年で消滅してしまいます。
 北海道のわが庭や森にも植えた覚えはないのに、あちこちに繁殖して7月初旬から華やかな色とりどりの花を咲かせてくれます。 背丈が1m以上あるので、一本でも咲くと華やかな雰囲気を醸しだすので、薔薇園やイングリッシュガーデンには欠かせない花となっています。

毒に注意 !!!

 
さて、イングリッシュガーデンには欠かせない優雅な花のジギタリスですが、全草に毒を有する植物です。
ジギタリス中毒の例として、不整脈、動悸等の循環器症状、吐き気等の消化器症状、、頭痛、眩暈等の神経症状、視野が黄色く映る黄視症などの様々な症状が現れ、海外では葉がよく似たコーンフリーと誤ってスープに入れて死亡した例が報告されているとのこと。
 もっともかつては美容、強壮、等々、何にでも効く万能の健康食品として一時ブームになった程のコーンフリーも、含まれるピロリジジンアルカロイドが肝機能障害をもたらすことが判明して、現在ではすっかり姿を消しました。
 ジギタリスの有毒成分である強心配糖体のジギトキシン (Digitoxin ) は同時に強心剤、鬱血性心不全の特効薬として古くから使われています。
 

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