ゲンノショウコ | (現の証拠) | Geranium thunbergii | |
ミツバフウロ | (三葉風露) | Geranium wilfordii Maxim | |
イチゲフウロ | (一花風露) | Geranium sibericum |
拡大すると端正な美しさを見せる1cmにも満たない花 | 神輿の屋根の様な果柄の曲線 | 長野県以西に多い赤紫のゲンノショウコの花 | |
ゲンノショウコ | イチゲフウロ |
新たに近所の草むらで見つけた白花に混じる赤花のゲンノショウコ | 北海道で見つけた赤花 |
ゲンノショウコ (Geranium thunbergii) | イチゲフウロ (Geranium sibiricum) | ミツバフウロ (Geranium wilfordi) |
ゲンノショウコには大変よく似た種類、イチゲフウロとミツバフウロとがあります。
この3種は花の形が微妙に異なります。 葉も3裂、あるいは5裂の違いがあるとのことです。
わが庭のものを詳細に調べてみると茎の上部では3裂の葉が根に近い方では5裂しているもの等、個体による違いあって決め手にはなりません。
花、葉、茎の繊毛などの微妙な違いの他、神輿状の果柄の曲線等や、薬効等の特徴は同じです。
ネット上には愛好家の無数の写真や比較がありますが、植物愛好家の間でも、この3種の識別は難しいようです。
わが庭には、どうやらゲンノショウコとイチゲフウロとが混生しているようです。
日当たりの良い平地での背の低い群生 | 草むらでは背が高くなる | 種をつけた果柄 |
Angiosperums | Eudicots | Rosids | Eurosides | Geraniales | Geraniarae | Geranium | G. Thunbergii |
被子植物門 | 双子葉植物綱 | バラ類 | 真性バラ類II | フウロソウ目 | フウロソウ科 | フウロソウ属 | ゲンノショウコ種 |
夏に北海道の野山を歩くと道端に1cm程の白い花の群落をあちこちで見かけます。
余りにも小さくて地味な花なので、長いこと気にも留めずに見過ごしていました。
この数年我が森の日当たりの良い場所に目だって群生するようになり、何の花だろうかと写真に撮ってよくよく拡大して見ると,端正な美しさに感嘆した次第。
早速調べてみると、ゲンノショウコ (現の証拠)、昔から名前だけは聞いたことのある植物でした。
その名のとおり根、茎、花、葉、と全草にタンニン等を含み、下痢止めや胃薬として優秀な整腸生薬なのですが、これがフウロソウ(風露草)科を代表する花であると、ようやく気づきました。
またの名をミコシグサ(神輿草) と呼ばれるのは、冒頭の写真のように種を飛ばした後の果柄が神輿の屋根の曲線のような姿になることからとのこと。
中国から朝鮮半島、日本全国に自生しますが、長野県以西の西日本ではゲンノショウコは赤紫、一方東日本では白花と分布が分かれているとのこと。
しかし2015年8月初旬に、森の中ではありませんが、近所の日当たりの良い道路わきの草むらに白花の群落に混じって数十の赤花のゲンノショウコの群落を発見しました。
晴れた日の午前中に花開き、午後や曇り、雨の日には花弁が閉じてしまいます。
草の背丈は草むらの中では陽射しを求めて30cm程に大きく伸びますが、平坦な草地では5cm程と、環境により差があります。 一旦根付くと、種を飛ばして旺盛に繁殖し、群落を作ります。
学名を見るとフウロソウ属のゲラニウムとあり、園芸植物のゼラニウムとは同じフウロソウ科の植物です。
ただしゼラニウムは現在ではテンジクアオイ (天竺葵・ペラルゴニウム (Pelargonium) 属に変わりましたが、昔の属名が花の名としてすっかり定着してしまったため、依然として使われています。
動植物の学名の分類については、この20年ほどDNAによる分類の見直しが行われていますが、2000万種を超える全ての見直しには時間がかかるため、新旧が入り乱れているのが現状です。
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