ゲラニウム・フウロソウ ( 風露草 )
(Geranium)
真正双子葉類 | バラ類 | アオイ類 | フウロソウ目 | フウロソウ科 | フウロソウ属 | ||
Eudicots | rosid | malvids | Geraniales | Geraniaeceae | Geranium |
ゲラニウムはユーラシアと北米各地の熱帯から山地まで、300種、日本でも12種が自生する花です。
和名では風露草という、風情のある名前があり、こちらの方が一般的かもしれません。
数多くの野生種と園芸種との交配から無数の種類が作られているため、個々の花の学名の種名を特定するのは困難です。
学名、Geranium の語源はギリシア語の "Geranos : 鶴 " に由来するとのこと。
実の形が細長い鶴のくちばしを連想させることなのでしょうか。
あるいは二段目の右端の写真のように丸い蕾から細長く伸びる芯の形が鶴の頭と嘴を思わせることからかも知れません。
日本では暖地では5月から6月、寒地では6月から7月、と大きな株から無数の花が次々と長く咲いて庭を彩ってくれます。
繫殖力が強いので、種が飛んで、庭のあちこちに大きな群落を作ります。
ゼラニウム (Geranium) ⇒ ペラルゴニウム (Pelargonium)
子供のころですが、ゼラニウムとよばれる花をよく見かけました。
実は学名では全く同じ綴りの ” Geranium ” と綴り、読みはゼラニウムです。
これは、実はかつてリンネによってゲラニウム属に分類されていたためです。
同じフウロソウ科に属する近種ですが、現在はテンジクアオイ属の
ぺラルゴニウム属として分類され、一般にはペラルゴニウムと呼ばれるようになっています。 語源はギリシア語の ” Pelargos : コウノトリ ”です。
同じく実の形がコウノトリの嘴に似ていることに由来します。
40年ほど昔のことですが、初めてパリに赴任し、パリ東部のヴァンセンヌの森を訪れた時、公園に様々な種類のゼラニウムが咲いている一角がありましたが、ペラルゴニウム・・・・との表記があり、ゼラニウムではないのかと不審に思ったことを鮮明に覚えています。
熱帯から亜熱帯にかけて230種が野生種として分布していますが、交配により様々な花や葉の形を持つ数千種類もの園芸種が市場に姿を見せています。