麝香葵 (ジャコウアオイ : Malva
moschata)
背丈が20〜50cm、花径が4〜5cmほど、7月から8月にかけて次々と咲く |
双子葉植物綱 | アオイ目 | アオイ科 | ゼニアオイ属 | ジャコウアオイ種 |
Magnoliopsida | Malvales | Malvaseae | Malva | M. Moschata |
7〜8年前から、森のあちこちに増え始めたこの花は、葉の様子から長年の間、千島風露、十勝風露等の風露草の仲間かと思っていました。
しかしどう見ても花の大きさと花弁の形、雄蕊と雌蕊の形が風露草ではないので、散々調べた挙句、これが南欧原産の麝香葵と判明しました。
分かってみれば、確かに花は葵の特徴を備えています。
学名の ” Malva ”は粘液に苦痛緩和作用があることから ギリシア語の ”柔らかくする” に因んだもの。
” moschata ” は 麝香の香りに因む。 葉を揉むと微かに麝香の香りがするとのことですが、いくら揉んでも青臭い匂いしか感じません。
英語では Musk Mallow, フランス語では Mauve musquée スペイン語では Malva と、いずれも和名と同じ命名です。
南欧原産なのに北海道のわが森や庭のあちこちに、何時の間にか根付いて、大いに繁殖しています。 こんなに増えると雑草並みの繁殖力ですが、何とも優雅な花の姿と色合いと、葵の割には小柄で邪魔になるわけではないので、殖えるに任せています。
葉も花もサラダとして食用になるそうです。 こんな華麗な花を食べるのは気が引けますが、サラダに幾つか加えたら食卓が引き立つこと間違いありません。
よくよく調べると、 ”北海道の野の花図鑑”にも載っていることに気付いた次第です。
白花は ”Moschata Alba” 淡いピンクは ” Moschata Rosea” の変種があり、これらから数多くの園芸種が作られているようです。
わが森には白花と、ピンクの細葉と広葉の3種が繁殖しています。
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