ムスカリ(葡萄ヒアシンス : Grape Hyacinth)
(Muscari negluctum)


       
一般的な青い種類 の群落 白花種 : ボトリオイデ ・アルブム の群落


 
北海道札幌市北区 百合が原のチューリップとムスカリ の群生


 被子植物 単子葉類   キジカクシ目  キジカクシ科  ツルボ亜科   ヒアシンス連   ムスカリ属 
 Angiosperms   monocots   Aspalagales   Aspalagaceae   Schilloidaeae   Hyacintheae  Muscari 
 西アジア、地中海沿岸地方原産
名前はギリシア語の moschos (ムスク : 麝香) に由来する。 ただし、一般的な園芸種は殆ど香りがない。 
 種名の negluctum とは ”無視された” との意味だが、どういうことなのか ? 名前とは裏腹に殆ど香りがないことに由来するのかもしれません。
 葡萄の実が房をなすように小さな房状に花が咲くことから、葡萄ヒアシン ス(Grape Hyacinth) とも呼ばれる。
 日本には1980年ごろから入って来たが、当時の種類は小さく見映えがしなかった。
 その後の品種改良により様々な美しい園芸種が増えて急速に広まった。
現在は、濃い青、淡い青、淡桃、淡黄緑、赤紫、青と白との二色等々、多彩な色合いの60種余りを見ることができる。
 と、園芸品種としては極めて新しい。 子供のころ、ムスカリを見た記憶がありません。
 我が庭には十数年昔に10個ほどの球根を植えた覚えはあるが、その後次第に増えて、あちこちに大きな群落を作るようになった。
 球根をあちこちに移植した覚えはないのに100mも離れた場所にどうやって移動して殖えるのか全く不思議です。 園芸書によると、親球根の周囲に子球根が連なって殖えてゆくとのこと。
 さらに、花が終わった後に種ができると球根に栄養が届かなくなるので、花が咲き終わったら直ちに切るべしとあります。
 10鉢くらいの小規模な花壇ならともかく、庭一面に広がった数百株の花を切り取るなど到底不可能。
 放置してもどんどん増えるのは球根に加えて、種でも殖えるということが良く分かりました。
公園では一面絨毯のように広大な地面を覆うように繁殖し、花の時期は圧巻の景観となります。
 グラウンド・カバーに適切とする記述もありますが、こんな花が群生する中を踏みつぶして歩くわけにはゆきません。 

人類最古の葬送花

  近年、イラク北部の約 6 万年前のネアンデルタール人の遺跡から、埋葬時にムスカリの花を手向けたと考えられる痕跡が発見され、人類最古の葬送花だったと考えられているのだそうです。


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