イボタノキ(水蝋の木)
(Ligustrum obtusifolium)



     
 高さが2mほどの灌木 房状に咲き、木犀のような芳香を放つ  秋に青みを帯びた実が生る
     
 
 
 
双子葉植物綱  キク亜綱  ゴマノハグサ目  モクセイ科  イボタノキ属  イボタノキ種 
 Magnoliopsida  Asterdiae   Scurophulariales  Oleaceae  Ligustrum   obtusifolium 

 7月半ば、庭の外れに見慣れない白い花が咲く灌木を見かけました。
近づくと銀木犀のような芳香がします。
 何時ものことながら、こんな木を植えた記憶は全くありません。
が、なかなか風情のある純白の房状に花を咲かせるこの木は一体何なんだろうかと、例によって樹木図鑑を片っ端から開いて、ようやくこの花を咲かせる木の名前が分かりました。

 これはモクセイ科のイボタノキ(水蝋の木)です。
この妙な名前は、樹皮に寄生するイボタロウムシとよばれるカイガラムシの一種に因み、それが分泌するイボタ蝋と呼ばれる樹脂が、古くから燭蝋や、家具の塗料に使われていたのだそうです。

 北海道から九州まで広範に自生する木であればこそ、様々な用途に使われていたのでしょう。

だが、なぜ家の庭に ? と、調べていて、この木がライラックの台木として用いられるとあり、ようやく分かりました。 
 確かにかつて同じ場所にライラックがありましたが、いつの間にか枯れてしまい、元のイボタノキが成長して同じように香りの良い、純白の花を咲かせるようになったということなのです。
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