山芍薬(ヤマシャクヤク)


5月末から6月初旬にかけて、群落となって開花する山芍薬


根塊からの新芽 種から発芽した新芽 5月中旬頃の株 5月末ごろに膨らみ始める蕾


5月末〜6月初旬に開花 夏の終わりの実 実は秋に熟し、はじけて、種が周囲に撒き散らされる 紅花山芍薬(Paeonia obovata)


ユキノシタ目 ボタン科 ボタン属 ヤマシャクヤク種
Saxifragales Paeoniacas Paeonia Paeonia japonica


 7〜8年前から森の片隅に、背丈が50cm程の草木に、5月末から6月初めにかけて径5cmほどの大きさの可憐な白い花が咲くようになりました。
 花の命はほんの2〜3日と短いので、不在のときは見過ごしてしまいます。
これが野生の山芍薬とはすぐ分かりました。
 多くの野草図鑑には本州以西から中国、四国にかけて見られるとありますが、厳寒の北海道でもホームセンター等で地植え可能として売られています。

 寒暖に強く、水分と日陰があれば容易に繁殖する野生植物ですが、可憐な花が仇となって乱獲され、日本の殆んどの県で絶滅や絶滅危惧種に指定されています。

 わが森には、恐らく何処かで野鳥に食べられた実が根付いたのでしょう。
毎年実がなり、今では春先、雪が溶ける4月中旬から2m四方に30株余りの新芽が出るほどの群落となっています。
 種は新芽が出るのに2年かかり、さらに花が咲くには4年〜5年程時間がかかるようです。
最初に花が咲いてから、まもなく10年となり、新芽も毎年育っていますから、後数年たてば、山芍薬の白い花の大群落が見られそうです。
 今年(2015年)は5月末に3株から、合計9個の花が咲きました。

 同じ野生種で紅い花の紅花山芍薬 (Paeonia obovata) があります。
これは山芍薬の紅い変種ではなく雄蕊の形が少し異なる別種です。
 紅花ではなく、白から淡いピンクの色変わりもあります。
 北海道から九州まで野生種として見られるとのことですが、紅く美しい花のために乱獲され、殆んどの地域で、ほぼ絶滅に近い状況となっています。


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