ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡:Pytolacca
americana)
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7月に5㎜程の花が房状に咲き、9月中旬以降に紫の実が熟する |
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5月中旬ころに芽が出る |
7月には2mに達し房状に花が咲く |
9月に紫の実が熟する |
ナデシコ目 |
ヤマゴボウ科 |
ヤマゴボウ属 |
ヤマゴボウ種 |
Caryophyllales |
Phytolaccaceae |
Phytolacca |
P. americana |
名前はヤマゴボウですが、漬物のヤマゴボウとは全く別種の有毒植物なのでご用心。
漬物のヤマゴボウは実はキク科の森アザミの根を漬けたもの。
ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産のナデシコ目の植物、明治時代以降、帰化植物として日本に入り、今や日本中で繁殖しています。
アメリカでは Pokeweed, Inkberry 等と呼ばれているとのこと。
Pokeweed とは直訳すれば
"ブタクサ"と、日本でも役に立たなかったり有毒の雑草にはブタやイヌの名をつけています。 Inkberry とは "インク苺"
とこちらは紫の実が衣服に接触すると紫に染まって落ちなくなることから、即ち紫の染料に使える。
植物の本には猛毒とありますが、紫に熟した実を噛まずに飲み込む分には、5~6個程度なら大した影響は出ないとする実験記もあります。
実際小鳥は実を丸呑みして、あちこちで糞をして、それが日本全国に広まったと思われます。
とは言え、根には硝酸カリウム、葉やおいしそうな実にはアルカロイドやサポニン、アグリコン等の有毒成分が含まれますから、強い嘔吐、下痢に始まり、中枢神経麻痺、痙攣、意識障害、さらに呼吸困難、心臓麻痺から死に至るとのことです。
北海道では春と夏が一度に来る5月中旬に根から芽を出し、7月には高さが2mを超えてちょっとした灌木のような大きさに育ちます。
葡萄のような、径5㎜程の可憐な花が房に咲き、やがて青い実がなり、9月中旬ころから紫に熟します。
有毒ではあっても、食べなければ問題はありませんから、庭の片隅に、可憐な花や、きれいな紫の実を眺めて楽しむ分には一向に差し支えありません。