箆大葉子(ヘラオオバコ)
(Plantago lanceolata)



       
草むらや空き地に花火のような花を咲かせるヘラオオバコの群落


       
様々な姿を楽しめるヘラオオバコの雄蕊


 真正双子葉類  キク類  シソ類  シソ目  オオバコ科   オオバコ属   ヘラオオバコ種 
 Eudicos  Asterids  Lamiidas   Lamiales   Plantaginaceae   Plantago  lanceolata 

 ヘラオオバコはヨーロッパ原産の雑草ですが、日本には江戸時代末期に侵入し、今では全国至る所に繁殖しています。
 背丈は日当たりの良い場所では20㎝程ですが、草むらでは日差しを求めて50㎝以上にも背を伸ばします。
 当然ながらわが庭にもあちこち蔓延ってはいますが、しかしスギナやクローバー、西洋タンポポ、ブタナ(タンポポモドキ)、紅輪タンポポ、フランス菊、ヒメスイバ(スカンポ)程には凶暴な繁殖力がなく、ほどほどに殖えていて、その気になれば何時でも駆除できるため、敢えて見逃している雑草です。
 
というより、むしろ写真のように雌蘂の周囲に環を成して花火のように広がる雄蕊の形が何とも風情があるので愛着を感じていると言った方が正しい。 
 幾何学的な美しさを見せるこの花は7月初旬のほんのひと時だけ姿を見せるのですが、その独特の姿ゆえにわが庭では生き延びています。と言っても、周囲の野原にいくらでも見かける雑草です。  
 最も広範に繁殖しているオオバコと比べて葉の形が細長く箆(へら)のような形をしていることが名前の由来ですが、それに加えて、独特な美しさを見せる花の姿が何といっても魅力があります。

オオバコ(大葉子)と エゾオオバコ(蝦夷大葉子)

        
 オオバコ (Plantago asiatico) エゾ オオバコ (Plantago camtschtica)
 ヘラオオバコの名は知らなくても、近種で日本を含む東南アジア一帯に広く繁殖しているオオバコを見たことがない人はいないでしょう。
 子供の頃、田舎ではカエロッパと呼んでいました。
 北海道ではヘラオオバコほど多くはありませんが、野原に背丈の低いエゾオオバコも時々見かけます。


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