豊穣の森
ノイバラ(野茨・野薔薇)
Rosa Multiflora
純白の野薔薇 | 淡いピンクの野薔薇 |
純白と淡いピンクの花 |
Magnoliophyta | Magnoliopsida | Rosales | Rosaceae | Rosaideae | Rosa | Rosa multiflora |
被子植物門 | 双子葉植物綱 | バラ目 | バラ科 | バラ亜科 | バラ属 | ノイバラ |
2年ほど前から白樺の根元に薔薇らしき苗が2本芽を出しているのに気づいていました。
余り日当たりの良くない森の中の木陰のためでしょうか、なかなか花が咲かないために一体何なのか確認できずにいました。
3年目にようやく花開いたのは思ったとおり野薔薇でした。
日本中、何処にでもある野生の薔薇です。
確かに子供の頃田んぼのあぜ道に咲いていたのを記憶しています。
が、その後あちこち山歩きの時にも野生の野薔薇をついぞ見かけた覚えがありません。
そんなわけで、この野薔薇は半世紀ぶりに、思いもかけず、それも我が庭の森の中にいつの間にか自生しているのを大層嬉しい思いで確かめた次第です。
2本揃って生えているということは,きっと小鳥が運んで来たのに違いありません。
この森には数十種類の野鳥が訪れるとのことです。
私自身で確認したのは十数種でしかありませんが、恐らくツグミやヒヨドリ、シメ等の中型の野鳥が運んで来たのでしょう。
放置されたまま荒れ果てていた森を整備したことで、より多くの小鳥や小動物が訪れるようになり、様々な植物の種が運ばれて来て一層豊かな森が育つと言う循環が始まったと実感しています。
正式な名称はノイバラ(野茨)ですが、野薔薇のほうが一般的でしょう。
学名、ムルチフローラのとおり、多花性の薔薇です。
こんにち、2万種を遥かに越える園芸種の薔薇は日本原産のノイバラ、中国原産のロサ・キネンシス、北アフリカ・南欧原産のロサ・ムスカータと同じく北アフリカ・欧州原産のロサ・カニナ、ロサ・ガリカ間の交配と改良とによって生み出されたものです。
とりわけ日本のノイバラはハイブリッド・ムスク・ローズ、ハイ・ブリッド・ティー・ローズ、ポリアンサ・ローズ、フロリバンダ・ローズ、ランブラー・ローズ、クライミング・ローズ等、園芸種の薔薇の主流となっているモダンローズの最も重要な原種です。
さらに栽培種の薔薇の台木としても使われる等、記念碑的な薔薇でもあります。
絢爛豪華な園芸種の薔薇はあらゆる花の頂点に立つと言っても過言ではありません。
しかしながら、原種の野薔薇の清楚な佇まいこそは自然の森にもっとも相応しいものです。
森の中に根付いて以来10数年経って、2mを超える高さに成長した2本の野薔薇 |
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