タイム・立麝香草
(Thyms vulgaris)


     
気が付くと他の植物を駆逐して繁殖しているタイム


     
植物図鑑のタイム  庭を埋め尽くす勢いで繁殖しているタイム  個々の花は風情がある 


 双子葉植物綱 シソ目  シソ科   イブキジャコウソウ属   タチジャコウソウ種 
 Magnoliopsida   Lamiales   Lamiaceae  Thymus  T.vulgais 
  ヨーロッパ南部、地中海西部沿岸地域の乾燥地帯原産の、草のように見えますが、常緑小低木です。
正式な和名はイブキジャコウソウ属の立麝香草ですが、一般にはラテン語の学名、Tymus (チムス) の英語読みのタイムと呼ばれています。
 イブキジャコウソウ属の植物はおよそ 350 種あり、いずれも芳香を持ち、古代から防腐剤や、香料として使われてきました。
 それらイブキジャコウソウ属の香草を代表するのがタチジャコウソウですが、タイムの呼び名が一般的です。
 英語でもタイム(Tyme), コモンタイム (Comon Tyme), ガーデンタイム (Garden Tyme), イングリッシュタイム (English Tyme), フレンチタイム (French Tyme), と多々呼び名がありますが、いずれもタイムと考えれば簡単です。
 常緑樹で、年間を通して収穫が可能なので、肉類、スープ、シチュー等の香りづけ、ソーセージやサラミ、塩漬け肉等の保存食にも広範に使われます。
 ハーブ・ティーとしても古くから飲まれていて、また、タイムから抽出されたエッセンシャルオイルは消毒薬、歯磨き粉、」うがい薬、石鹸の香料にも使われています。
 タイムの精油の主成分はチモールとカルバクロール、その他シモール、シネオール、リナロール、モノテルペン、トリテルペン、フラボノイド、ローズマリー酸等のタンニンや抗酸化剤としてはたらくビフェニールを含む、
 と、とても有用なハーブですが、旺盛な繁殖力があり、解放空間に植えると、数年であたりを埋め尽くすほどの雑草と化します。
 したがって家庭の庭では鉢植えでの栽培をお勧めします。
 わが庭には10年余り昔に10種ほどのハーブをそれぞれ苗1本植えたのに、ミントとオレガノとタイムとが他のハーブを駆逐して、庭を覆いつくすばかりの勢いで増えています。
 北海道の庭には、もっと手ごわいスギナ、タンポポモドキ,紅輪タンポポ、カキドオシ、カタバミ、蝦夷のギシギシ、スイバ、その他のメヒシバ等の無数のイネ科の雑草が、隙あらば蔓延ろうとひしめいていますから、同じ雑草でも、きれいな花が咲いて、芳香を放つハーブが増えるのは好ましいと放置していました。
 さすがに近年では恐ろしい勢いで増えてきているので、そろそろ、整理する頃合いかと様子を見ています。

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