百合の木(ユリノキ)
Liriodendron tulipifera


       
 ユリノキの樹皮 ユリノキの花  5月末~6月初旬の開花期の様子  街路樹として植えられたユリノキの並木 


       
5~6㎝の大きさの 満開時の花 実  シナユリノキ(Liriodendron chinense) の花と葉


モクレン目  モクレン科  ユリノキ属   ユリノキ種 
 Magnoliales   Magnoliceae   Liriodendron   tulipifera 

   仙台の我が家の近くに 300m程の並木道があり、高さ10m程の80本余りのユリノキが街路樹として植わっているのでユリノキ通りと名づけられています。
 住宅地には通りごとに、さくら、ケヤキ、ハナミズキ、コブシ等が街路樹として植えられていて、早春から初夏にかけて通りは花で彩られます。
 並木道の入り口に看板と写真付きの地図まであるので、あまり聞きなれないユリノキであることは、10年余り前に越してきた時から知っていましたが、5月末ごろに咲くという、ユリノキの花をついぞ見たことがありませんでした。
 5月末に記録的な暑さが続き、そのあと2日ほど猛烈な夕立の日が続いて、ようやく爽やかな初夏の気候が戻ったので、並木道をゆっくりと歩いて、ようやく 2~30本ほどの木にユリノキの花が咲いているのを見つけました。
 新緑の葉の合間に、5cmほどのチューリップのような淡い黄色の花を上向きに咲かせるので、車からはもちろん、ぼんやり歩いていたら気が付きません。
 開花期は1週間足らずですから、10年余り暮らしていて気付かなかったのも止むを得ません。

名前の由来

 学名の Liriodendron とは ギリシア語の ”leiron :百合 と dendron : 樹木” に由来し、これが和名のユリノキになったのですが、別に花が蓮の葉を思わせることから、蓮華木、さらに半纏に似た葉の形から半纏木とも呼ばれるとのこと。
 種名の tulipifera はラテン語でチューリップ(のような花)をつけると言う意味で、英語では Tulip tree と呼ばれます。

 ユリノキ属は、一種がアメリカ東部、五大湖の南から東海岸沿いにフロリダ半島の北にかけての一帯に分布するのと、中国の長江以南からヴェトナムにかけて自生する、シナユリノキ( Liriodendron chinense) との二種のみからなる植物です。

 日本へは明治初期に30粒の種が渡来し、東京上野の国立博物館本館前庭には、その時植えられた苗木が巨木となっていて、記念の銘板が添えられている由。

 成長が早く、花からは上質の蜂蜜が採れ、木は楽器や家具等に使われるとのこと。


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