ツルニチニチソウ(蔓日日草)
(Vinca Mayor)


         
花径が5㎝の大きな花  一般的な色と花径3㎝の種類  斑入りの葉の園芸種  白花、淡い緑の葉の園芸種  赤紫の花の園芸種 


   
雪融け後すぐに咲き始め雪に覆われる」12月まで青い花とつやのある緑の葉を楽しめる、ツルニチニチソウで覆われた庭


     
     


  双子葉植物綱    リンドウ目   キョウチクトウ科   ツルニチニチソウ属   ツルニチニチソウ種 
 Magnoliopsida Gentianales  Apocynaceae  Vinca  mayor

 ヨーロッパ(地中海沿岸)原産。 北・南米、オーストラリア、日本に帰化した植物です。
今では園芸用に青、空色、白、赤紫の花、大きな花、斑入りの葉等々、様々な交配種があり、学名のビンカ・マヨールの名が一般的になっています。 
 Vinca とはラテン語の ”Vincire :結ぶ、巻き付く” と Mayor :マヨール:大きい を語源とする命名ですが、茎を伸ばして根を下ろし周囲に広がってゆく習性を示す名前です。
 マヨール:大きいとあるからには Minor(小さい)、葉と花が一回り小さいヒメツルニチニチソウ種があるのですが、一般的ではありません。
 植え始めた当初は、冒頭左の大きな花の種がマヨールで、他の小さな花の種がミノールと思っていたのですが、実際は全てが品種交配された園芸種で、全てがヴィンカ・マヨールです。
 園芸種とは言っても、実際には北海道のような寒冷地でも野生化して繁殖していて、家の近くの農業用灌漑路に延々とはびこっていたのを採集してきてあちこちに植えたのが始まりでした。 
 その後、驚くほどの繁殖力を示して10年余りで、全部で400坪ほどある、庭や森、薔薇園等の周囲を、デイジー、ヴィオラ、三輪草、ムスカリ、勿忘草等々と競合しながら覆い尽くしてしまったものです
。 

究極のグラウンド・カヴァー

 重粘土質の痩せた土地に肥料もやらず、一切手を懸けなくともどんどん茎をのばして根を下ろし庭一面に広がり、雪融けの後、4月末ごろから12月まで、次々と咲く鮮明な青い花と艶々とした緑の葉を楽しめるツルニチニチソウは究極のグラウンド・カヴァーといって差し支えありません。
 ぎっしりと地面を覆い、適度な高さの10㎝程度に茂りますから、他の雑草に付け入るスキを与え無いのが何よりです。
 伸びすぎて薔薇園などに入り込んで来たものは周囲の根を切ってしまうか、根こそぎ引き抜いて他の空き地に植え替えればそこで集落をつくりますから、殆ど手間がかりません。
 上等の土壌を用意し、頻繁に水やり、施肥、土の補給、雑草取り、芝刈り、と手間ばかりかかって、花も楽しめない、”究極の雑草”である芝と比べるとまさに雲泥の差です。
 かくして冒頭の写真のように庭一面を覆う無数の青い花とつやつやとした緑の葉の花園が出来た次第です。
 


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